戯曲・上演用字幕の翻訳料金の相場|文字単価と1分あたりの費用【2026年版】
日本の舞台作品を海外で上演したい。
あるいは海外の戯曲を日本で上演したい。
劇団や制作の現場でそうした話が動き出したとき、最初にぶつかるのが、翻訳にいくらかかるのかという疑問ではないでしょうか。
戯曲の翻訳には、台本そのものを訳す戯曲翻訳と、公演中に客席へ映す上演用字幕の2つがあり、料金の決め方もそれぞれ違います。
この記事では、両方の相場の目安と、費用を左右するポイント、依頼前に押さえておきたい点をまとめました。
先に結論
- 戯曲翻訳は文字数 × 単価、上演用字幕は1分あたりの単価で費用が決まります。
- 日本語から英語への目安は、戯曲翻訳で1文字あたり12〜30円ほど、上演用字幕で1分あたり2,000〜4,500円ほどです。
- アルス・トランスレーションズの戯曲翻訳は1文字15円から、上演用字幕は1分2,500円から(いずれも最低料金9,000円・税抜)。
戯曲翻訳・上演用字幕の料金はどう決まる?
戯曲の翻訳費用は、依頼する内容によって計算の方法が分かれます。
大きく分けると、次の2つの方式があります。
戯曲翻訳は文字数 × 単価で計算する
戯曲翻訳は、上演台本や稽古用の台本そのものを翻訳する仕事です。
費用は、原文の文字数に1文字あたりの単価をかけて割り出します。
台詞はもちろん、ト書きも文字数に数えます。
文芸性の高い小説や脚本と同じで、原文のボリュームが大きいほど費用も上がります。
上演用字幕は1分あたりの単価で計算する
一方、上演用字幕は、公演中に舞台の上部や脇のスクリーンへ訳文を映し出す字幕です。
こちらは映像の字幕翻訳と同じで、上演時間1分あたりの単価で見積もります。
同じ作品でも、上演台本として訳すのか、字幕として見せるのかで、費用の出し方が変わります。
戯曲翻訳と上演用字幕では、料金の数え方そのものが違います。
まずどちらの形で上演するのかを決めておくと、見積もりがスムーズに進みます。
なお、上演パンフレットや作品紹介文といった関連文書は、戯曲本体とは別に、通常の文書と同じ文字単価で見積もります。
戯曲翻訳の料金相場
実際のところ、戯曲翻訳はいくらくらいかかるのでしょうか。
戯曲のような文芸性の高い作品は、ビジネス文書より単価が高めです。
台詞の調子や登場人物ごとの口調まで訳し分けるぶん、手間がかかるからです。
| 翻訳の方向 | 1文字/1ワードあたりの目安 |
|---|---|
| 日本語 → 英語 | 12〜30円/文字 |
| 日本語 → 英語以外の言語 | 13〜33円/文字 |
| 英語 → 日本語 | 18〜38円/ワード |
| 中国語・韓国語 → 日本語 | 11〜26円/文字 |
※一般的な目安です。作品の文芸性・難易度や納期によって幅があります。翻訳料金の目安は日本翻訳連盟(JTF)翻訳料金の目安でも公開されています。
単価の参考としては、一般社団法人日本翻訳連盟(JTF)が公開している資料があります。
ただし、そこに挙がっているのはビジネス文書も含めた全体の目安です。
戯曲のように台詞の調子や間(ま)まで訳に乗せる作品では、上限に近い単価になることもよくあります。
日本語から英語への戯曲翻訳なら、1文字あたり12〜30円ほどをみておくとよいでしょう。
作品の長さや難しさによって、この範囲のなかで変わってきます。
上演用字幕の料金相場
上演用字幕は、海外の作品を日本で上演するときや、日本の作品を海外で上演するときに使われます。
舞台の進行に合わせて、客席から見える位置に訳文を映し出します。
費用は、上演時間1分あたりの単価で計算します。
台詞の文字数ではなく、公演全体の尺をもとに見積もります。
| 翻訳の方向 | 1分あたりの目安 |
|---|---|
| 日本語 → 外国語 | 2,000〜4,500円/分 |
| 外国語 → 日本語 | 2,500〜5,500円/分 |
※上演時間に対する目安です。台詞の密度や字幕オペレーションの仕様によって変わります。
上演用字幕は、客席に映る一瞬で観客が読み切れる長さに訳文を詰めます。
文字の量よりも、舞台が流れる時間の長さで作業量が決まります。
料金を分単位で数えるのは、そのためです。
上演用字幕を頼むときは、翻訳の範囲がどこまでかを最初に押さえておくと安心です。
多くの翻訳会社では訳文の作成までが業務範囲で、実際に字幕を舞台へ投影する操作や機材の手配は、別の専門会社が担当します。
分量・上演時間別の料金の目安
単価が分かっても、作品一本でいくらになるのかは見えにくいものです。
戯曲翻訳の分量別に、費用の目安を並べてみます(日本語から英語へ、相場の12〜30円/文字で計算した一例です)。
| 作品の規模 | 文字数の目安 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 短編戯曲(一幕) | 約4,000字 | 約48,000〜120,000円 |
| 標準的な戯曲(2時間芝居) | 約25,000字 | 約30万〜75万円 |
| 長編戯曲1本 | 約50,000字 | 約60万〜150万円 |
※文字数 × 相場単価で算出した目安です。実際の費用は作品の文字数・難易度・言語によって変わります。
上演用字幕なら、上演時間に分単価をかけます。
たとえば90分の公演で1分2,000〜4,500円の相場なら、18万〜40万円あたりが目安です。
どちらの方式でも、短い作品には最低料金(ミニマムチャージ)がかかることが多いので、見積もりのときに聞いておくとよいでしょう。
戯曲・演劇翻訳の費用が変わる5つのポイント
同じ文字数でも、作品や依頼の条件によって費用は上下します。
戯曲・演劇翻訳でとくに費用に関わるのは、次の5つです。
- 作品の分量(文字数・上演時間)
もっとも大きいのが分量です。
戯曲翻訳は文字数、上演用字幕は上演時間に応じて費用が決まります。
台詞が多い群像劇は、上演時間のわりに文字数が多くなる傾向があります。 - 上演用か、読むための台本か
同じ戯曲でも、稽古や上演で役者が声に出す台本と、戯曲集として読むための訳とでは、訳し方が変わります。
声に出して言いやすいリズムまで整える場合は、その分の手間がかかります。 - 言語の組み合わせ
日本語から英語は対応できる翻訳者が多く、単価を抑えやすい組み合わせです。
訳せる人が限られる言語ほど、単価は上がります。
英語以外のヨーロッパ言語やアジアの言語は、英語よりやや高めです。 - 台本が確定しているか
稽古の途中で台詞が変わると、翻訳のやり直しが生じます。
台本が固まった状態で依頼すると、追加の費用を防ぎやすくなります。 - 関連文書をあわせて頼むか
上演パンフレット、作品紹介文、登場人物の設定資料などをあわせて依頼する場合は、その分量も費用に加わります。
これらは戯曲本体とは別に、通常の文字単価で見積もります。
依頼前に確認したいこと・費用を抑えるコツ
戯曲や上演用字幕の翻訳を依頼するときは、見積もりを取る前に次の点を整理しておくと、費用の比較がしやすくなります。
- 上演台本として訳すのか、上演用字幕として映すのかを決めておく
- 翻訳したい言語と方向(日本語から外国語か、外国語から日本語か)をはっきりさせる
- 台本を確定させてから依頼し、後からの修正による追加費用を防ぐ
- 最低料金(ミニマムチャージ)の有無と、修正対応の範囲を確認する
- パンフレットや紹介文など、あわせて訳す文書があるかを洗い出す
費用を抑えたい場合は、台本を確定してから依頼することがいちばんの近道です。
安さだけで決めてしまうと、品質や納期に問題が出て、結局やり直しになることもあります。
また、同じ作品を複数の言語へ同時に翻訳する場合、単価の割引を設けている翻訳会社もあります。
海外の複数地域で上演する予定があるなら、まとめて相談すると費用を抑えやすくなります。
海外の戯曲を日本で上演する、あるいは日本の戯曲を海外で上演する場合は、翻訳とは別に、原作の上演権や翻訳権について権利者から許諾を得る必要があります。
権利の確認には時間がかかることもあるため、企画の早い段階で動いておくことをおすすめします(出典:文化庁著作権制度の概要など)。
舞台・演劇翻訳の依頼の流れ
戯曲翻訳や上演用字幕を翻訳会社に依頼する場合、一般的には次のような流れで進みます。
- 見積もり・相談
台本や映像の概要、上演の目的、訳したい言語を伝えて、費用と納期の見積もりを受け取ります。
多くの翻訳会社で、見積もりと相談は無料です。 - 発注
費用・納期・対応範囲に納得したうえで正式に発注します。
実績の公開可否などもこの段階で確認します。 - 翻訳・品質チェック
翻訳者が訳文を作成し、別の担当者やチームが全体を見渡して確認します。
台詞のつながりや人物ごとの口調がそろっているかを見直す工程です。 - 納品・修正
台本や対訳表の形で納品されます。
内容を確認し、必要に応じて修正を依頼します。
舞台・演劇翻訳ならアルス・トランスレーションズ
アルス・トランスレーションズは、舞台・演劇翻訳をはじめとする芸術・エンターテインメント分野を専門とする翻訳会社です。
戯曲の翻訳から上演用字幕まで、作品を別の言語でも舞台にのせるお手伝いをしています。
対応できる作品や範囲は、舞台・演劇翻訳のページにまとめています。
訳文は各言語の翻訳者が作成し、経験豊富な統括チームが作品全体の観点からもう一度確認します。
必要に応じて訳文を英語に戻し、原文の声や言葉の調子がずれていないかを照らし合わせます。
この二段階を経ることで、原文の語り口やニュアンスが、訳すうちに薄れてしまわないようにしています。
参考:アルスの料金例(戯曲翻訳・日→英)
アルスの戯曲翻訳は、日本語から英語で15円/文字から、上演用字幕は2,500円/分からです(いずれも最低料金は9,000円・税抜)。
分量別の料金例は次のとおりです。
| 作品の規模 | 文字数の目安 | 料金の目安 |
|---|---|---|
| 短編戯曲(一幕) | 約4,000字 | 60,000円 |
| 標準的な戯曲(2時間芝居) | 約25,000字 | 375,000円 |
| 長編戯曲1本 | 約50,000字 | 750,000円 |
※税抜・目安です。実際の料金は総文字数・上演時間・言語によって前後します。上演用字幕は、たとえば90分の公演で2,500円/分なら約225,000円が目安です。
ご依頼の前後でかかる費用も、できるだけ抑えられるようにしています。
お見積もりとご相談は無料で、納品後の修正も1年間・訳文の20%までは無料で承ります。
同じ作品を複数の言語へ訳すときは、単価からさらに15%割引いたします。
各料金の詳しい内訳は、料金ページからご確認いただけます。
ご依頼を検討中の方には、サンプル翻訳もご用意しています。
本案件の原稿の一部を無料で訳し、訳者の解説をつけてお渡しします。
実際の仕上がりを見たうえで、依頼するかどうかを判断していただけます。
制作の現場から
戯曲の翻訳で難しいのは、読んで意味が伝わる訳と、役者が声に出して言いやすい訳が、必ずしも同じにはならないことです。
私たち統括チームは、舞台の上で実際に発話されたときの間やリズムを思い浮かべながら、語順や言葉の長さを選んでいます。
上演用字幕であれば、観客が一瞬で読み取れる文字数に収めることを優先し、上演台本であれば、稽古で役者がふくらませる余白を残します。
同じ作品でも、読むための台本と上演用字幕とで訳し方が変わるのは、このためです。
こうした舞台・演劇翻訳ならではの難しさがあるからこそ、アルスでは翻訳者と統括チームが連携し、翻訳の品質を保つことで、作品の魅力を伝えています。
まとめ
この記事の要点
- 戯曲翻訳は文字数 × 単価、上演用字幕は1分あたりの単価で費用が決まる
- 日→英の目安は、戯曲翻訳で1文字12〜30円ほど、上演用字幕で1分2,000〜4,500円ほど
- 費用は、分量・上演用か読む用か・言語・台本の確定状況・関連文書の有無で変わる
- 台本を確定してから依頼し、最低料金と修正範囲を確認しておくと安心
戯曲や上演用字幕の翻訳は、文字数や上演時間が分かれば、おおよその費用を見積もれます。
具体的な条件が決まったら、複数の翻訳会社に見積もりを依頼して比べてみるとよいでしょう。