小説の翻訳料金の相場|文字単価の目安と費用を抑える3つのコツ【2026年版】
小説を海外の読者に届けたい、あるいは海外の小説を日本語で出版したい。
出版社や作家の方がそう考えたとき、まず気になるのが翻訳料金はいくらかかるのかではないでしょうか。
この記事では、小説の翻訳料金の相場と文字単価の目安、買取・印税の違い、英語以外の言語の料金、費用が変わる5つのポイント、料金を抑えるコツ、依頼の流れまでを、分量別の料金早見表とあわせて解説します。
先に結論
- 小説の翻訳料金は原文の分量 × 単価で決まり、文字単価の相場は1文字あたり8〜20円が目安。
- 文芸書1冊をまとめて頼む場合は買取で100万〜150万円前後が一般的な水準。
- アルスの場合は日本語→英語が1文字10円(税抜)。短編小説(約5,000字)で5万円前後が目安です。
小説の翻訳料金は文字数 × 単価で決まる
小説にかぎらず、翻訳料金の基本は原稿の分量 × 単価です。
ここにどの言語へ訳すか・どんな内容かといった条件が加わって、最終的な金額が決まります。
原語カウント制と出来高制の2つの数え方
分量の数え方には、原文の文字数・単語数で計算する原語カウント制と、400字詰め原稿用紙の枚数で計算する出来高制があります。
最近は原語カウント制が主流で、原稿の段階で分量が確定するため依頼前に料金の目安が分かりやすいのが特徴です。
基準になるのは訳した後の文章量ではなく、原文の分量です。
文芸翻訳に特有の買取と印税
小説のような文芸作品では、出版を前提とする場合に買取(一括払い)と印税(売れた部数に応じた報酬)という2つの方式があります。
出版前にまず訳したい・海外への売り込み用の見本を用意したいという場合は、分量で料金が決まる買取(文字単価ベース)が一般的です。
小説の翻訳料金の相場【文字単価の目安】
小説の翻訳料金は言語や翻訳者で幅がありますが、市場全体での一般的な目安は次のとおりです。
| 計算方式 | 相場の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 文字・ワード単価 | 1文字・1ワード 8〜20円 | 言語ペアや難易度で変動 |
| 出来高制(400字/枚) | 1枚 4,000〜5,000円 | 文字単価換算でほぼ同水準 |
| 文芸書1冊・買取 | 100万〜150万円 | 長編1冊をまとめて買い取る場合 |
| 文芸書1冊・印税 | 6〜8% | 商業出版で刊行前提の場合 |
※市場全体の一般的な目安であり、特定の会社の料金ではありません。文字・ワード単価の水準は日本翻訳連盟(JTF)翻訳料金の目安および各種業界資料を参考に、買取・印税の水準は文芸翻訳の一般的な慣行をもとに編集部が整理しました(2026年5月時点)。
文字単価でみると1文字あたり8〜20円がひとつの目安。
英語のように需要も翻訳者も多い言語は比較的安く、希少な言語ほど高くなる傾向があります。
アルスの出版・書籍翻訳は日本語→英語が1文字10円(税抜)、その他言語が1文字11円(税抜)が基準です。
英語以外(中国語・韓国語・欧州言語)の料金
小説の翻訳というと日英・英日をイメージしがちですが、近年は中国語・韓国語・欧州言語への翻訳ニーズも増えています。
料金は言語ペアによって変わり、一般的には対応できる翻訳者が少ない言語ほど単価が上がりやすく、欧州言語は英語より高めになる傾向があります。
外国語から日本語へ訳す場合は、英語・欧州言語は1ワードあたり、中国語・韓国語は1文字あたりで計算するのが一般的です。
下の表は、日本語→外国語の一般相場の目安です。
| 言語 | 一般相場の目安 |
|---|---|
| 英語 | 約8〜16円 |
| 中国語・韓国語 | 約10〜12円 |
| フランス語・スペイン語・イタリア語・ドイツ語・ポルトガル語 | おおむね10〜18円(英語より高め) |
※一般相場は各社が公開する翻訳料金相場をもとにした目安です。外国語→日本語はワード単価が中心で、ドイツ語は1ワードの文字数が多いぶんワード単価が高めに見えます。
【分量別】翻訳料金の早見表
自社の作品だと結局いくら?という方へ。
一般相場(日本語→英語1文字8〜16円)で試算した目安です。
| 作品の種類 | 分量の目安 | 一般相場の目安 |
|---|---|---|
| 絵本1冊 | 500〜2,000字 | 4,000〜32,000円 |
| 短編小説1本 | 5,000字 | 40,000〜80,000円 |
| 見本訳(冒頭1章分) | 5,000〜15,000字 | 40,000〜240,000円 |
| 短編集1冊 | 80,000字 | 640,000〜1,280,000円 |
| 長編小説1冊 | 総文字数による | 応相談 |
※一般相場(1文字8〜16円)に文字数を掛けて算出した目安です。分量が少ない作品では最低料金が適用されることがあります。
海外出版社への売り込みには、まず一部を訳す見本訳(冒頭1章分)のご依頼が多くあります。
初期費用を抑えながら訳文の質を確かめられる方法です。
料金が変わる5つのポイント
同じ1冊の小説でも見積もりは作品ごとに変わります。
料金に影響する主な条件を5つに整理しました。
- 翻訳する言語ペア
英語のように翻訳者が多い言語は比較的安く、希少な言語ほど高くなる傾向。
複数言語へ同時依頼すると割引が適用されることも。 - 作品の分量(ボリューム)
長編ほど総額は上がりますが、量が多いほど1文字あたりの事務コストの割合は下がります。
短い作品は最低料金に注意。 - ジャンルと文体の難易度
例えば古典・純文学・詩的な文体、方言や造語の多い作品は、読み解いて同じ印象を再現するのに手間がかかります。
- 納期
短納期は特急対応で料金が上がることがあります。
余裕ある進行ほど品質を確保しやすくなります。 - 訳文の用途
内容把握の下訳か、そのまま出版する完成原稿か。
仕上がりへの要求が料金に反映されます。
- 料金は言語ペア・分量・文体の難易度・納期・用途の組み合わせで決まる
- 相場表はあくまで出発点。正確な金額は作品ごとの見積もりで確認を
- 単価の安さだけで比べず、品質とのバランスを見極める
小説の翻訳料金を安く抑える3つのコツ
品質を落とさずに費用を抑えるには、いくつかコツがあります。
現実的な3つの方法を紹介します。
- まずは見本訳から始める
いきなり1冊すべてを訳すのではなく、冒頭1章分だけの見本訳から始めれば、初期費用を抑えながら訳文の質を確認できます。
海外出版社への売り込みにもそのまま使えます。 - 余裕のある納期で依頼する
いつまでに必ずという短納期は特急料金がかかることがあります。
スケジュールに余裕を持たせるほど、特急料金がかからず費用を抑えやすくなります。 - 分量をまとめて相談する
分量が多いほど1文字あたりの事務コストの割合は下がります。
複数作品や複数言語を予定しているなら、まとめて相談することで割引が適用される場合があります。
アルスでは同じ作品を複数言語に翻訳する場合、単価が15%オフになります。
安さだけを優先して品質チェックのない翻訳を選ぶと、結局は作品の価値を損ないかねません。
サンプル翻訳や見積もりを上手に使って、品質とコストのバランスを見極めるのが、いちばん損のない進め方です。
料金だけで選ぶと失敗する?確認したい3つのこと
安さだけで選ぶと訳してはもらえたが、原作の雰囲気が伝わらないという結果になりかねません。
次の3点を確認しましょう。
- ① 品質チェック体制……翻訳者が一人で訳しっぱなしでなく、第三者が確認する工程があるか
- ② 修正対応の条件……範囲・期間・回数。業界では1〜4週間・1〜2回までが多く、差が大きい
- ③ 文体を読み取れるか……機械的な直訳でないか、サンプル(試訳)で事前に確認
小説の翻訳を依頼するときの流れ
実際の依頼は、おおむね次の5ステップで進みます。
- お見積もり・ご相談
フォームや問い合わせから、作品の概要(分野・全体の文字数・希望の言語など)を伝えて見積もりを依頼します。
- 内容・料金・納期に合意して発注
提示された見積もりと納期に納得したうえで正式に発注します。
- 翻訳
翻訳者が原文を翻訳します。
- 納品・修正対応
納期までに指定の形式で翻訳が納品されます。
納品後の修正対応には各社差がありますが、納品後1〜4週間、1〜2回までが多いです。 - お支払い
お支払いは翻訳会社によって、前払い・納品後の支払いなどのケースがあります。
小説の翻訳ならアルス・トランスレーションズ
アルスは、小説・出版をはじめ芸術・エンターテインメント分野に特化した翻訳会社です。
「作品には、作品のための翻訳を。」を掲げ、作者の語り口や読後の余韻まで翻訳することを大切にしています。
参考:アルスの料金例
アルスの出版・書籍翻訳は、基本単価が日本語→英語10円/文字・その他11円/文字(税抜)。
最低料金は900字以下でおおむね9,000円が目安です。
| 言語 | 日本語→外国語 (1文字あたり) | 外国語→日本語 (ワード/文字あたり) |
|---|---|---|
| 英語 | 10円/文字 | 15円/ワード |
| フランス語・スペイン語 イタリア語・ポルトガル語 | 11円/文字 | 16円/ワード |
| ドイツ語 | 11円/文字 | 22円/ワード |
| 中国語(簡体字・繁体字) 韓国語 | 11円/文字 | 9円/文字 |
| 作品の種類 | 分量の目安 | アルスの料金例 |
|---|---|---|
| 絵本1冊 | 500〜2,000字 | 5,000〜20,000円 |
| 短編小説1本 | 5,000字 | 50,000円 |
| 見本訳(冒頭1章分) | 5,000〜15,000字 | 50,000〜150,000円 |
| 短編集1冊 | 80,000字 | 800,000円 |
| 長編小説1冊 | 総文字数による | 応相談 |
※中国語は簡体字・繁体字とも同一単価。同じ作品を複数言語へ翻訳する場合は単価から15%オフ。
アルスの特徴
- 二段階の品質管理……経験を積んだ翻訳者が訳し、統括チームが作品全体の観点から確認。語り口や用語の一貫性を確かめます。
- 無料のサンプル翻訳……作品の一部(日本語200字以内など)を無料で試訳し、訳者解説つきでお届け。品質を確かめてから判断できます。
- 1年・無制限の無料修正……訳文の20%までは回数制限なく無料。範囲を超える場合のみ通常単価の60%で対応します。
- 見積もり・相談はすべて無料……料金は後払い、クレジットカード・銀行振込に対応します。
- 複数言語への同時発注で割引……同じ作品を複数の言語に翻訳する場合、単価が15%オフになります。
料金の詳細は料金ページ、対応範囲は出版・書籍翻訳のページ、仕上がりを試すなら無料サンプル翻訳をご覧ください。
制作の現場から
小説の翻訳で時間をかけるのは、訳語そのものより語り口の再現です。
作家ごとに一文の長さや句読点の打ち方、間の取り方には個性があり、意味は正しく訳せても、そのリズムが崩れると別人の文章のように感じられてしまいます。
私たちは、原文のテンポや余韻が残るほうを優先して訳語を選び、はじめての作家・作品では冒頭1章分の見本訳で方向性をすり合わせてから本編に入ることが多いです。
訳し終えた後は、必要に応じて英語へ訳し戻し、語り口が保たれているかを確かめます。
こうした小説翻訳ならではの難しさがあるからこそ、アルスでは翻訳者と統括チームが連携し、翻訳の品質を保つことで、作品の魅力を伝えています。
まとめ
この記事の要点
- 料金の基本は原文の分量 × 単価。文字単価の相場は1文字8〜20円が目安
- 文芸作品には買取と印税があり、刊行前の依頼は買取(文字単価)が一般的
- 料金は言語ペア・分量・文体の難易度・納期・用途で変わる。相場表は出発点
- 安さだけで選ばず、品質体制・修正対応・文体を読み取る力を確認する
正確な料金を知るいちばんの近道は、作品の情報を添えて見積もりを取ること。
アルスでは見積もりも、品質を確かめるサンプル翻訳も無料です。